ESAPI Helpの活用

スクリプトを作成するためには、まずEclipse Scripting APIでどのような拡張機能(クラスやメソッド)が提供されているかを把握する必要があります。ここでは公式のオンラインヘルプを使ったAPIが提供する拡張機能の調べ方について説明します。

Eclipse Scripting API Online Help

Eclipse端末から閲覧することができるオンラインヘルプです。
Windowsの[スタート]メニューから[Eclipse Scripting API Help]メニュー項目を選択して、ヘルプを起動して下さい。

[External Beam Planning]ワークスペースのヘルプからも起動することができます。

オンラインヘルプでは前章で説明したEclipse Scripting API用アセンブリについての説明を閲覧することができます。

名前空間 内容
VMS.TPS.Common.Model.API オブジェクトモデルについて
VMS.TPS.Common.Model.Types 構造体と列挙型について

患者IDの取得方法を調べてみる

患者」=「Patient」クラスと予想できます。
検索する方法は次の3通りがありますが、まず 目次検索で「Patientクラス」を検索します。

  • 目次(索引)検索
  • キーワード検索
  • 任意文字列検索

以下の手順を実行します。

  1. [VMS.TPS.Common.Model.API]を展開します。
  2. スクロールして[Patient Class]を探します。
  3. [Patient Class]を展開すると、以下の2つの項目がみつかります。
    • Patient Properties:データ(変数)
    • Patient Methods:操作(関数)
  4. 患者IDは[ID]であると予想できるため、データ(変数)である[Properties]欄で探すと下記を確認できます。
  5. さらに[Id]を選択すると、Idのプロパティを確認することができます。ここでは次の項目が読み取れます。
    • get アクセサ表記のみから、値の読み出し専用(書き込み禁止)であること
    • [Property Value]欄が String 型とあることから、値は 文字列 であること
  6. したがって患者IDは「Patient」クラスの「Id」プロパティから文字列形式で取得できることが分かります。

「HelloWorld.cs」を編集して患者IDを表示できるようにする

  1. Eclipseで現在開いている情報は context インスタンスからアクセスすることができるので、以下のように変更を加えます。

    変更

    1
     MessageBox.Show("Hello world in ESAPI.");
    

    変更

    1
    MessageBox.Show("Patient ID:" + context.Patient.Id);
    
  2. ソースコードを保存します。

  3. Eclipse上でスクリプトを実行し、開いている患者IDがメッセージウィンドウに表示されることを確認します。